2018年12月6日(木)~8日(土)
更に更に追加公演決定!
2018年 第62回岸田國士戯曲賞ノミネート作品
2012年度の若手演出家コンクールにて優秀賞を受賞した名作2人芝居
『絶対の村上くん』を下敷きに大幅改訂を繰り返し長編へと進化を遂げた大新作!
『少年はニワトリと夢を見る』
作・演出 サリngROCK
「村上くんに オモロイ って言ってもらえるような小説、書けますように。」
村上くんの13歳の誕生日。深夜。
海辺の洞窟で、僕はそう願い事をした。
ケーキに刺した ろうそく に火をつけて、僕と村上くんは
「文豪になれますように」って願い事をした。
僕らは洞窟の中で、自分が書いた小説を見せ合って、たくさんの未来を夢見た。
ゆらゆら揺れる、ろうそくの灯りの中
「どっちが スゴイ大人 になるか競争しよう」って言い合った。
「赤い空に、黒い雲。その下で、アパートが金色の炎に包まれていました。」
村上くんの18歳の誕生日。夕方。
村上くんは自分の家に火をつけて、その日のうちに、塀の中に閉じ込められた。
僕と村上くんの未来の数に、この日、圧倒的な差ができた。
26歳になって会社を興した僕は、海沿いを走る電車に揺られている。
塀の中で26歳になった村上くんを、訪ねた帰りなのである。
僕の住む都会に向かってガタゴト揺れながら進む電車は、僕の心も揺らす。
劣等感……嫉妬……選択……決意……
認められたい……認めたくない……
僕はまた数年後、村上くんを訪ねるだろう。
競争は全然終わっていないのだ。
ガタゴト揺れる電車の中。
僕の心は、海辺の洞窟の中で見た ろうそく を思い出す。
ゆらゆら揺れるあの炎は
少年だった僕たちに呪いをかけたんだ。
Cast
山田まさゆき (突劇金魚) & 大塚宣幸 (大阪バンガー帝国)
山田まさゆき (突劇金魚) & 竹内宏樹 (空間 悠々劇的)
空間美術協力:サカイヒロト 演出助手:伊藤由樹(工房 黒猫ハグルマ) 制作:若旦那家康(ROPEMAN(39)/コトリ会議) 受付協力:竹内桃子(匿名劇壇)
協力:(株)リコモーション (株)ワタナベエンターテインメント
公演日時
日程によって出演者が代わります。
12月6日(木)19:30~ 山田 & 大塚ver
12月7日(金)19:30~ 山田 & 竹内ver
12月8日(土)14:30~ 山田 & 竹内ver
12月8日(日)19:30~ 山田 & 大塚ver
※開場は開演の20分前です。
※夜19:30の公演後には『金魚の宴』あります!!
この作品を創るにあたって~サリngROCKより~
私には、演劇をやっている上で、めちゃめちゃ意識している人がいます。
それは、偉大な劇作家でも
同世代の売れてる演出家でも
下から突き上げてくる才能あふれた後輩の作演出家でもなく
大学時代に所属していた演劇サークルの同級生の一人です。
彼女はとにかく美的感覚が抜群で、演出した作品も学生らしからぬものでした。
でも、彼女は、卒業して、演劇をやめました。
演劇で褒められたことのなかった私の方は、卒業してからも演劇を続けることにしました。
それから10年以上経った今でも演劇を作っていると、彼女のことを思い出します。
彼女なら、もっとカッコよく、オシャレに、アッと驚くものを作るんだろうなあ……。
そう考えては一人でハア~とため息をつくのです
長い間、そんな風な苦い思いを持っていますが
彼女は今や演劇をしていないので、この嫉妬を拭い去る機会がありません。
「なんや、たいしたことないやん。抜いたったわ」と思えるチャンスがありません。
思い出の彼女の作品は美化されたまま。
私は永遠に、嫉妬し続ける呪いにかかっています。
この呪いを断ち切ろうとする一つの考えとして、「続けていること」を褒めようと思うことがあります。
どんなにへたくそだったとしても、「続けつづける」ということ自体に尊さってあるんじゃないか。
ほら、「続ける才能」って言葉、よく使われるやん、と。
そうして「ほら、私は続けてる、勝ってる!」……と思えばその途端に
「ただ続けることがそんなに偉いんか」
「より自分の似合うものを見つけられてるなんて、かっこいいじゃないか」
「辞めないことは偉いんか」と言う声が聞こえてくる……。
同じことを長く続けていると
「辞める方が大変」「続ける方が楽」という感覚になってきて、それで「続ける」を選んでいるだけじゃないか?
しかし私は「続けていて」彼女は「辞めている」……この一点は実は重要な判断の基準じゃないか……?
そうして私は、いつまでも、ぐるぐるぐるぐる、彼女と勝負をし続けているのです。
そんな彼女のことを最大限に思い起こしながら書いたのが『少年はニワトリと夢を見る』です。
何年経っても持ち続けている彼女への執着心を、ネチネチ捏ね繰り回してみました。
しかし、どうなったら私は「勝つ」んでしょうか。
続けていれば勝ちですか?
有名になれば勝ちですか?
彼女より儲けられれば勝ちですか?
人生に満足していれば勝ちですか?
そうやって彼女のことを意識し続けている限り、負けでしょうか?
彼女を意識することで自分を普段以上に奮い立たせられて、結果、豊かな人生を過ごせたら、私は勝ちでしょうか?
いや、勝ち負けは誰が決めるのでしょうか?
そして例えば負けていても、私は「し続ける」のでしょうか?
それは、そんな気がします。
だったら……、私はなんの目的のために演劇をやっているのでしょうか?
褒められることが目的でしょうか?
チヤホヤされることが目的でしょうか?
お金を稼ぐことが目的でしょうか?
人生を生きる上で「暇」がないようにすることが目的でしょうか?
家族を養うことが目的でしょうか?
「何もやっていない」というのは周囲からの目が冷たそうなので、それを避けることが目的でしょうか?
実はほんとのところ、単に好きだからやり続けたいだけ、やり続けることが目的、という気持ちもあったりするんでしょうか?
「あなたは何か、続けていることはありますか?」
「それはなんのためにしていますか?」
もしよかったら、私にも教えてください。
金魚の宴 (* ̄0 ̄*)ノ口
~ 夜19:30の公演後のみ ~
終演後、1時間程度のプチ打ち上げをおこないます。ドリンク飲み放題(300円)です。
作品の感想を言い合ったり、物販や今作品の参考文献を閲覧するなどしてお過ごしいただけます。
もちろん、ご参加は自由です。お気軽にご参加下さい。
差し入れ大歓迎です~!!v(≧∇≦)v
チケット(ご予約はこちらから)
予約:3000円 当日:3500円
※ご予約数が一定枚数に達した際は、当日券の発行はありません!!
◆ご予約はこちらから
→https://www.quartet-online.net/ticket/niwa2018?m=0kcadgh
※予約フォーム画面がサーバー負荷の為、開かない場合があります。
その場合は、info@kinnngyo.com宛に
「お名前」「ご希望日時」「チケット希望枚数」「電話番号」を記載して
メールでご連絡下さい。
メール確認後、こちらからご連絡させて頂きます。
会場
突劇金魚アトリエ
〒577-0843 東大阪市荒川3-4-17
JR大阪東線「JR河内永和駅」より徒歩1分
近鉄奈良線「河内永和駅」より徒歩2分
※駐車場はありません。会場では、靴を脱いで2階へ上がります。
★突劇金魚アトリエ付近のコインパーキング詳細:goo.gl/FZG14P
アクセス
JR「京橋駅」から「JR河内永和駅」まで4駅11分+駅から徒歩1分
近鉄奈良線「大阪難波駅」から「河内永和駅」まで6駅12分+駅から徒歩2分
駅から離れた劇場よりも意外と早く行けたりするよ!!
注意:JR京橋駅からJR河内永和駅までの途中『放出駅』で乗換えがあります。
乗換えがスムーズにいかないと、もう少し時間がかかるので余裕をもって来てね!!
突劇金魚とは
関西学院大学の演劇サークルに所属していたサリngROCKを中心に結成。
2007年に應典院舞台芸術祭space×dramaで最優秀賞を獲得した『愛情マニア』にて
2008年に第15回OMS戯曲賞大賞を受賞。
以降、
2009年に第9回AAF戯曲賞最優秀賞
若手演出家コンクール2012優秀賞
第57回岸田國士戯曲賞にノミネートされるなど実績を積んできている。
作品の下敷きにあるものは「現代を生きることで感じる、不安や憤り」である。
そこに、なんとか希望を見いだそうとする人々の姿を、女性の視点からなるべく滑稽に、そしてリアルに、描きだす。
関西訛りで話すエキセントリックで不器用な登場人物が繰り広げる突飛な展開のドラマは
現実なのか空想なのか、別世界なのか分からない中毒性の高い、独特の世界を創り上げる。
近年は学生への指導や、映画の方言指導など、演劇を活かした仕事も手がけながら
劇場公演だけではなく長屋を改装したアトリエでの公演をロングランでおこなうなどインディーズな活動も展開している。
Promotion Video 2012~2015
『夏の残骸』『富豪タイフーン』『夜に埋める』『漏れて100年』『ゆうれいを踏んだ』まとめ
『過去作品』を無料公開中!!(期間限定)
公開期限が終了すると見れなくなりますのでお早めに!!